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20周年記事④ 20年活動してきて思ったことあれこれなお話 その4

前回は専門学校時代の怒涛の時代の流れのお話でした。
今回はその続き。

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20周年記事③ 20年活動してきて思ったことあれこれなお話 その3

前回はサイト開設後から活動初期の事を記載しました。MIDIとmp3の入り混じった時代のお話。 今回はその続き。 前回の記事 2004年~ 専門学校時代のお話 専 ...

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2006年~ 卒業後の音楽活動

清水 嶺としての活動

卒業後、名前を「清水 嶺」と改め、活動をしていくことにしました。
改め、といいますが、本名での活動を開始したという意味であります。

webサイトも作り直し、心機一転活動をしていくような形でした。

とはいえ、序盤は交友関係はさほど変わらず、最初はただ名前が変わっただけでした。
それでもずっとHNで呼ばれていたのに慣れてしまっており、最初は「清水さん」などと呼ばれるのに逆になれない事態でした。お前は清水だろうが。
そういえばこの頃は、清水と呼ばれていることが多かったように思います。
いつかどこかのタイミングで、いつのまにか嶺のほうで呼ばれることのほうが多くなりましたが、語呂的に呼びやすいのかもしれません。

一人称が私なので女性だと思われたことも多々ありました。
Q.どうして一人称が私なのですか?
A.公の場だから畏まっていたほうがいいと思って……。

時を紡いでという番組との出会い

前回最後に記載した楽曲「創世録」。

創世録

※過去の作品 様々な地方の民族楽器を使用し、ストリングスや太鼓を主体とした力強いバックでまとめたニューエイジサウンド。 コンテスト用で作成した作品。

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あの曲は最優秀賞をいただいたことで、当時サービスが開始されたばかりのとある音楽配信サイトに登録されることとなりました。
「ニューエイジの新生登場」なんてキャッチコピーで紹介されていました。ヘヘヘ……やめろやいこっ恥ずかしかろぉぉへへへ。

……などと浮かれていたところ、一通のメールが来ました。
それが三重テレビ放送さんの関係者の方からでした。

製作中の番組への楽曲提供のお話だったのですが、まだ全然そういういった活動をしていなかった清水、動揺。

大丈夫かこのメールもしかして詐○とかじゃないかいきなりテレビ局からメールとかありえへんやろというかワイの事どうやって知ったねんどうするこれどうしたらいいんだというか楽曲提供てなんやねんテレビで曲が流れるちゅうことかそんなんありえへんだっt

混乱する始末。
なお、ちゃんと三重テレビ放送さんからのメールでした。

後ほど聞いた話なのですが、当時編集をやっていた人がBGMを探していたところ、偶然先述したサイトから私の創世録を見つけ、それでメールをした……という事でした。テーマとして曲を探していたところ、私の楽曲を見つけて即決だったというお話も聞きました。
ニューエイジの新星、歓喜。
そのようなことがあり、2005年より放送された「時を紡いで」というテレビ番組で創世録がテーマ曲として起用され、番組内BGMも全て清水の曲という結構びっくりな事態でした。偶然見つけたんですってよ、偶然……。

「時を紡いで」という番組は、現在も一年に一度、正月に新しい内容で番組が続いています。
2022年度も放送がされていました。

番組内容は伊勢神宮の式年遷宮に関することがメインです。
2013年に行われた式年遷宮。20年に一度の催事であり、このときは62回めの式年遷宮でした。
約1300年、日本で続いている催事と聞いて私は驚きました。当時は伊勢は知っていても神宮やその催事については全くの無知だったため、こんなとんでもない規模の出来事が日本に続いていて、今まさにそれが始まろうとしているということに、とても奮えたのを覚えています。番組を通じて、伊勢への興味がとても強くなったものです。

奮闘の日々

それから、楽曲の制作を正式に受付開始をしてみると、ありがたいことにその頃から色々な制作のお話をいただけるようになっていきました。
主にゲーム作品の楽曲制作や既存曲の提供でした。
この頃は正式に公開されたり闇に消えてしまったり、様々なことがありましたが、たくさん曲を作っていたように思います。
要望の通りに曲を作る難しさと、期間内に量を作る大変さをこの頃になって学んだものです。

主に壁になっていたのがジャンルへの理解でした。
普段はずっと雰囲気で曲を作っていたことが多く、曲もその色が強く、しっかりとジャンルを固めて曲を作るということが苦手だったのだと思います。
民族音楽ですら地方の民族音楽の名前を言われると「なぁにそれぇ……?」状態です。
知識不足丸出しだったため、改めて色々な音楽を聴き漁る日々でした。
この頃から、私の音楽の方向は、狭く深くよりも、広く浅くの方向へと向かっていた気がします。

特に困っていたのがオーケストラででした。
良く聴くジャンルとはいえ、作るとなるとそう簡単なものではなく、楽器の数から楽器の使い方、音の組み方……、あらゆるものが未知でした。
聴いて覚える、譜面をMIDI化する……、色々なやり方で、とにかく理解をしていくことには始まらんと、必死に譜面をにらめっこでした。
ピアノ譜しか見たことがない人間からすると、オケ譜は本当に意味不明で、なんだか謎の記号はあるし(ハ音記号のこと)、ヘ音記号の位置がいつもと違うことに気が付かずに、打ち込みでずれてものすごい不協和音になっていたり、1分の打ち込みだけでもとんでもない時間がかかったものです。

そしてさらに困っていたジャンルといえば、ジャズ。
聴くのはとても好きなのですが、作るとなるともう大変です。
得意楽器と言い張っているピアノですら、どう音を組んで弾けばいいのか分からない、ベースは何をやっていいのかが分からない、ドラムは一体どうなっているのか分からない……、もうなんだかずっと分からないの連続です。

分からないなりに頑張って作っていたように思います。
どうして作ったこともないような音楽を求められるのだろう?という疑問は当時考えていなかったのだと思います。

新たな出会い色々

名前を変えて活動を開始したこと、新しく曲制作を請け負うようになったこと、様々なことから、色々な出会いが生まれました。
そしてこの頃から新しいSNSの登場で、更に大きく交流の場が広まっていきました。

代表格がmixiでした。
友人から招待され、初めはかなりの閉鎖空間で、学生時代の友人との交友の場となっていました。
そこから、さまざまなコミュニティを見つけては参加し、音楽のジャンル、楽器、アーティスト、興味あるものから次々と参加していくようになりました。
この頃から私の民族音楽の興味はケルト音楽に集中していくようになり、コミュニティもその方向で良く探していました。

特にケルトのとゲーム関係コミュニティへの参加が今後に大きく影響しました。
当時好きだったゲーム音楽をケルトの楽器でアレンジ・演奏していた方がおり、それを聴いて清水、超感動。
いやもうほんとビックリするくらい感動しました。
とてつもなく良いアレンジと素敵な演奏、そして素敵な音色。全てが完璧でした。
そしてそのメインメロディを奏でていた楽器にすっかり惚れ込みました。
当時はまだ楽器の知識も浅かったのですが、ローホイッスルという楽器の構造を初めて理解しました。
仕組みはリコーダーを同じようなものだということ、そして買おうと思えば買えるということ、調べていくうちに色々と分かりました。
買える、演奏できると分かってしまった以上、手に入れる以外の選択肢がありませんでした。

My new gear...

当時メイドインジャパンではこれ一択だったSZBEさんのローホイッスルです。
当時で2万前後だったと思います。
これと同時にローホイッスルと一緒に1オクターブ上が鳴る小さめの笛、ティンホイッスルも買いました。
フルートなどと違い、基本的に吹けば音が鳴る楽器です。
そしてこの音色はたちまち私を魅了しました。

楽器としては6孔の笛で、リコーダーのように全て抑えるとドが鳴るのではなくレが鳴ります。
順番に離していけばDメジャースケールが吹けるという、極めてシンプルな楽器です。

なんとも言えぬ低音の素朴な響き。
この楽器特有の音の鳴り。
難しいことが少なく、いつまでも吹いていられる。
本当に魅力的な楽器でした。

そしてこの時改めて思ったのが、打ち込みの笛と演奏した笛の音の差でした。
そんなこと始めから分かっていたはずなのですが、改めて自分で楽器に触れてみて更に実感できました。
生演奏の表現力は素晴らしい。
始めたばかりの私のつたない演奏でもそう感じました。
当時の音源だからというのもありますが、やはり大きな差を感じました。

この頃はそういった部分が一番の悩みだったように思います。

楽器沼の入り口

そしてこの頃から民族楽器についてあれこれ調べるようになりました。
すっかりケルト楽器にハマってしまい、当時からSZBEさんのラインナップにあったイリアン・パイプスも詳細を見てたら欲しくなってしまって大変でした(推定価格を調べてやめた)。
イリアン・パイプスのほか、ハーディーガーディーという楽器の存在も知ってしまい、それはもう大変でした。
あまりにも素敵すぎて、欲しくなってしまって大変でした。

このなんとも言えぬ独特の演奏スタイル、独特の音色、見た目、全てが好みでした。
ただし価格がべらぼうなのですぐ諦めましたが……、当時本気でほしいと思っていました。

現在に至ってもこの楽器に手を出してはいないのですが、あちらの民族楽器は魅力的にうつるものがとても多いなと思っていました。
ローホイッスル、イリアン・パイプス、ハーディーガーディー、ニッケルハルパ、コンサーティーナ、ツィンバロム。
音色も見た目もとても素敵なものばかりでした。
自分で演奏したいのか、生音を聴いてみたいのか、心境が分からなくなっていましたが、とにもかくにもローホイッスルを手に入れたのは今でも良い買い物だったなと思っています。

この数年後、別の楽器沼に落ちることになるのですが、それはまた別のお話。

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