■ 01.お伊勢さん |
■ 04.倭姫命 |
■ 06.伊勢の海 |
■ 16.五十鈴川 |
■ 17.豊受大神 |
■ 18.天照大神 |
三重テレビ放送アナウンサー・ディレクター
『お伊勢さん』ナレーター 一色克美 楽曲の制作を依頼した際、私たちからのリクエストは具体的なものではなかったように記憶しています。『お伊勢さん』という番組名すら決まっていなかったかもしれません。当然、全10回の内容や出演者も固まってはいませんでした。そんな中で「テーマ曲」「荘厳な」「神宮の森」などなど、楽曲のイメージをキーワード程度でしか伝えられなかったような気がします。そもそも私たちには、番組のテーマ曲を新たに制作するという経験すらなかったのです。 三重テレビの、というか、私と清水さんの出会いは2006年に遡ります。当時制作した伊勢神宮に関する特別番組『時を紡いで』のテーマ曲に、清水さんの楽曲『創世録』を使用したのが始まりです。インターネット上で曲を聞いて惚れ込み、使用をお願いしました。それから10年以上が経ちますが、現在も続く番組のテーマ曲として番組を格調高いものにしてくれています。 この『創世録』の印象は強く、式年遷宮が近づき大型番組のプロジェクトが動き出す中で、ディレクター陣から「音楽担当を清水さんに」という声が上がったのは自然な流れでした。ところが、どのように発注していいのかわからず、冒頭のような漠然としたリクエストになってしまい、さらに「30曲くらいは」などと無茶なお願いをしたのでした。 楽しい思い出となっているのは、清水さんを案内し、伊勢神宮を訪れたことです。夜間に行われる神事を特別奉拝し、誰もいない早朝の別宮を散策しました。初日は雨、二日目は晴天だったと思います。聞けば、この取材のあと、清水さんはそれまでに作っていた曲をすべて作り直したそうです。 やがて完成した楽曲はどれも素晴らしいもので、台本の執筆や編集に行き詰ったディレクターは、曲を聞いて気分を盛り上げながら番組づくりに打ち込みました。そういった意味では、大型番組が完成に漕ぎ着けた縁の下の力持ち、心の支えであったのが、この楽曲たちだったと言えます。 目を閉じて曲を聞けば、伊勢神宮の静けさや、五十鈴川のせせらぎ、参道の木漏れ日、そして参宮街道の賑わいが浮かびます。伊勢神宮をテーマにした楽曲は数多くありますが、この1枚は、私にとっての決定版です。 |
UDOR-014/STEREO/2017.04.30 (C)&(P) 2017 Rei Shimizu, Unknown - Dimension
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